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【釜ヶ崎②】あいりん地区に住む労働者の1日を紹介

※このコラムは2019年に公開されたものを再編集の上公開したものです。過去の情報が含まれていますのでご留意ください。

 大阪・西成区の”あいりん地区”では、日雇いや週雇いなど超短期の労働期間で雇用契約を結び労働に励む労働者の方々が多くみられます。

 

 今回は、そんな労働者の方の1日をご紹介します。

 

 

 

 

5:00AM 求人開始

 早朝5時。一斉に短期求人の募集が始まります。

 

 仕事は「あいりん労働支援センター」内の職員による紹介、またはその周辺にやってくる民間派遣会社による紹介によるものが大半です。

 NPO法人が「特別清掃事業」いわゆる”特掃”という取り組みも行われており、あいりん地区内の清掃作業を行う労働も用意されています。

 

 

 

 写真は人材募集の求人票の例です。(本物なので会社名などは伏せてあります。)

 

 これであれば、大阪府下において一般土工のお仕事を10日間連続で行うもので、日給は1万円と記載されています。ですが、宿代として一日当たり3,000円引かれ、雇用保険と労災保険の加入が有りとなっているので、その保険料が引かれた金額が、報酬として支払われます。

 

 また自宅から(あいりん地区から)仕事場所への往復交通費は支給されず、単純に時給を計算すれば、755円と大阪府下で考えれば安い賃金と言えるでしょう。

 

 

 

 

8:00AM 労働

 仕事の獲得に成功した労働者は労働を開始します。業務は土木系などが大半を占めており、最近ではあいりん地区内の高齢化に合わせて、業務が遂行できるような交通整理などの募集も増えてきています。

 

 関西近郊のエリアであれば日帰りをすることもできますが、遠い勤務場所であれば現地宿泊をしながら1週間程度業務を行う場合もあります。

 

 

 

6:00PM 帰宅

  日雇いによる賃金の獲得に成功すると、その日の宿を決定します。日ごとに宿泊地を変えて生活している方もいますが、最近では敷金礼金の無いアパートを契約している方も多く、日雇いの仕事でも安定を重視した生活を送っている方も多くなっています。

 

 人口の減少や労働条件の緩和などにより、ホームレスは減少傾向にあるために夜間の治安は改善傾向です。

 

 近年ではあいりん労働センターの閉鎖により求職の方法が変わってきており、より安定化したもので、高齢化にも対応している職種も増えてきています。


 多くの方が労働を行う一方、その日を休みと設定している方はあいりん地区内に留まるわけですが、いついっても多い人口密度を見ると、どれだけあいりん地区内の人口が多いということを感じさせられます。