基本情報
はじめは高齢者の方の日常生活動作(ADL)を維持させるための活動をしていた会社で、参加者の方から「こども食堂」の実施について提案されます。
当初は「おやつクラブ」からスタートしますが、規模を拡大していくにあたって「子ども食堂」の運営をスタートします。
全国各地のこども食堂と連携して、こども食堂に対する差別や偏見の解消を目的として「地域こども食堂」という名称で活動をしていました。
コロナ禍に入ってからは、食堂を弁当に変更して活動を持続させています。
高齢者に対しては、日中ご家族が学校や仕事のために一人となってしまう「準独居」に焦点を当て、同様の弁当を届ける活動を始めています。
このほかにも不登校生徒の対応など、多様な方に向けた活動をしている団体です。
現在の活動は?
コロナ禍で生活が立ち行かなくなってしまった方に対しての食料品支援を開始してからは、多くの企業や個人からの協力を得ることができました。
飲食事業に関わる人やその家族だけではなく、帰国することが難しい大学生など多様な方が支援を求めていると言います。
理事長自ら野菜を作り配給活動をするほか、寄付や会費などで食料品を購入することなどお金を工夫して節約することで、多くの活動を並行して継続しているのです。
例えば「みんなの家」「みんなの畑」「みんなの食堂」など、多くのパートナーの方と食に関する事業を展開し、居場所を作ることで支援を受ける方を包括的に福祉活動をしています。
仲間・お金 多くの課題を乗り越える
もともと東京在住である荻洲さんは、いわゆる「ざったもん」(=どこにでもいる一般的な人)だったと話しますが、現在岐阜県で活動するなかで出会った方のやりたい活動とその熱意を信じてパートナーとして業務をさせることで、多くの事業を展開するまでに成長しています。
活動資金は寄付や会費などで賄い、必要な備品や食料はフードバンクや「みんなの畑」などで育てた野菜などを有効活用し、300万円以上の経費を削減に成功しています。それでも多くの資金を必要とするので決して余裕はないと話します。
おもに平日に活動しており、ボランティアやパートナーの方の家庭を大事にしてほしいという思いから土曜/日曜は休みにするなど、企業的/西洋的な考えのもと活動しています。
支援を受ける方にとってはしんどい2日間となってしまわないように、その2日間で生活に困る事がないように配慮もしています。
福祉の完全体へ ゴールはない
よく目標を聞かれるといいますが、「福祉に最終的なものはない」と考えていると言います。
決してこれはいい加減な言い方ではなく、福祉は「活動する事そのもの」が大事であって、最終目標というのは無いと話します。
福祉といっても、国・自治体・各団体において考え方はバラバラでありそれは尊重すべきです。ただ静雲会としては支援を受ける方を中心に捉え活動をし続ける事が「福祉」なのだと考えているのです。
おなかの中に子どもがいると判明したら母子手帳をもらい、死後に死亡届を提出するのもすべて「福祉」であり、福祉は生まれてから死ぬまでずっと寄り添い続けなければいけないものなのです。
色々な考え方がある団体同士の欠点を穴埋めをするのもこれまた「福祉」で、つなぎとなるパイプも必要ではありますが、福祉としての完全体の実現にはまだまだ遠い道のりがありそうです。
静雲会エイシンシルバーアカデミー https://akaruihukusi.com/
松田義希
京都府出身。舞台俳優の活動を中心に、モデル・サッカースタジアムDJなど多岐に活動。
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